2010/10/11 月曜日
なくなりつつあるモノ でも 心に残るモノ
最近読んだ書物で、とても印象に残った本があります。
それは「なくなりつつあるモノ でも 心に残るモノ」という本で、「おっさんのモノがたり」という副題が付いています。(岩田健三郎さん著、神戸新聞総合出版センター)
この本は全て活字を使用せず、全編手書きの文章で構成されています。(下の写真は目次の見開きページです)
下はこの本からのいくつか引用です。
【町の本屋さん】
「その町の本屋さんは、何か、その町の表情をしているような・・・
本屋さんがなくなるというのは、何か、その町に表情がなくなったような」【書き文字】
「やぁ、元気?わしゃ元気・・・ということを伝えるのに
どの筆記具が、自分にとって、いいのやろう・・・」【憲法九条】
「健康なときに、病気のことを忘れているように、それに似て
平和な時には、平和であることを、忘れているかもしれない」【成人・大人】
「いまどきの若い者は・・・と言いそうになって、そういうわたしは
まだ人に成っておらんし、大人にも、なっていない たよりなさ」【時の記憶】
「できごとを、忘れるときは、すぐさま忘れてしまうけど
覚えていることは、年々、その思い出が深く、深くなっていく」【手紙・ラブレター】
「つづりかけて、つづれなかったことや、出すつもりで
出せなかった手紙が、何か・・・本当の わたしのような・・・」【LPレコード】
「すり切れたレコードを聞いていた。すり切れるまで聞いてきた。
・・・というようなことが、死語になり、すり切れた わたしが あるばかり」【公衆電話】
「大阪・梅田のど真ん中。阪急か阪神か、それともJRか・・・と迷っている。プロ野球のペナントレースの行方ではない。公衆電話とトイレを探すのに、立ち往生しているのである」
・・・などなど・・・
この本を読んでいて、本当にその通りだなぁ、と思いました。
そして時代はどんどん変わっていっているけれど、変わってならないモノを大切にしていきたいなぁ、と改めて思いました。