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10月2010

なくなりつつあるモノ でも 心に残るモノ

徒然日記

最近読んだ書物で、とても印象に残った本があります。

それは「なくなりつつあるモノ でも 心に残るモノ」という本で、「おっさんのモノがたり」という副題が付いています。(岩田健三郎さん著、神戸新聞総合出版センター)

なくなりつつあるモノ でも 心に残るモノ-1

この本は全て活字を使用せず、全編手書きの文章で構成されています。(下の写真は目次の見開きページです)

なくなりつつあるモノ でも 心に残るモノ-2

下はこの本からのいくつか引用です。

【町の本屋さん】
「その町の本屋さんは、何か、その町の表情をしているような・・・
本屋さんがなくなるというのは、何か、その町に表情がなくなったような」

【書き文字】
「やぁ、元気?わしゃ元気・・・ということを伝えるのに
どの筆記具が、自分にとって、いいのやろう・・・」

【憲法九条】
「健康なときに、病気のことを忘れているように、それに似て
平和な時には、平和であることを、忘れているかもしれない」

【成人・大人】
「いまどきの若い者は・・・と言いそうになって、そういうわたしは
まだ人に成っておらんし、大人にも、なっていない たよりなさ」

【時の記憶】
「できごとを、忘れるときは、すぐさま忘れてしまうけど
覚えていることは、年々、その思い出が深く、深くなっていく」

【手紙・ラブレター】
「つづりかけて、つづれなかったことや、出すつもりで
出せなかった手紙が、何か・・・本当の わたしのような・・・」

【LPレコード】
「すり切れたレコードを聞いていた。すり切れるまで聞いてきた。
・・・というようなことが、死語になり、すり切れた わたしが あるばかり」

【公衆電話】
「大阪・梅田のど真ん中。阪急か阪神か、それともJRか・・・と迷っている。プロ野球のペナントレースの行方ではない。公衆電話とトイレを探すのに、立ち往生しているのである」

 

・・・などなど・・・

この本を読んでいて、本当にその通りだなぁ、と思いました。
そして時代はどんどん変わっていっているけれど、変わってならないモノを大切にしていきたいなぁ、と改めて思いました。

コメントをいただき、ありがとうございます!